会員の作品

初心者入門講座の第7回修了生・七歩会漢詩サークルの作品

 「田園初夏」      田園初夏(でんえんしょか)       柴本信子 
挿秧已了作人歡    挿秧(そうおう)(すで)(おえ)えて(さく)(じん)(よろこ)
置酒團欒同晩餐     ()(しゅ) 団欒(だんらん) 晩餐(ばんさん)(とも)にす
立夏今宵蛙鼓聒    立夏(りっか)今宵(こんしょう) 蛙鼓(あこ)(かまびす)しく
蟾光萬里破雲端    蟾光萬里(せんこうばんり) 雲端(うんたん)(やぶ)
 

 

   挿秧=稲の苗を植える。田植え。 蛙鼓=蛙の鳴く声

   蟾=①ひきがえる。②月(月にひきがえるが住むという伝説による)

   蟾光=月光

 

(評)

 初夏の田園の田植えの作業を終えた人々の歓びが伝わってくる詩です。

一昔前の稲作農家では一家総出でもあり、隣近所の手伝いも得て一日に田植え

作業を終えることが多く、その労をねぎらい、晩餐では精一杯のもてなしをする風

習がありました。


最近では機械植えが多くこのような情景は見られないようです。

  起句・承句ではこの様子をよく物語っています。転句・結句では田植えの終わっ

た水田の様子がみごとに表現されています。蛙と蟾の使用が効いています。

                                        (川上 修己)